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松屋編

俺は松屋が好きだ。

夕飯も昼飯も、週に一回くらいは松屋に行くくらい好きだ。

 

今日もお腹を空かせた俺は駅をおりてすぐの松屋に向かった。夜の21時、ちょうど椅子ひとつ間隔を空けて座れるくらいの、寂しくもなく狭くもない丁度いい時間だ。

 

いつもはプレミアム牛めし並で満足するのだが、今日は久しぶりにうまトマハンバーグ定食を頼んだ。

炭焼きレストランさわやかの美味さを10万だとすると5万くらいの美味しさがあるあのうまトマハンバーグ定食だ。

 

松屋は定食を頼むと、コース料理よろしくサラダがまず出てくる。

 

松屋にはごまドレッシングとフレンチドレッシングの2種類のドレッシングがあり、好きな方を選べる。

逆に言えばその2種類しか選べない。

 

そこで、俺はいつものようにごまドレッシングを手に取りサラダにかけていた。

 

すると、定食を待つ俺の横にひとりのサラリーマンが座ってきた。

よく見る感じの中年デブリーマン、頼んだものは生姜焼き定食。

 

店員がデブリーマンから食券を回収するとカウンターの下からすぐにサラダが出てきた。

 

デブリーマンもごまドレとフレンチの2択から、当たり前のように1つを選び、サラダにかけるのだろう。

 

突然、目の前の世界が歪んだ。

グラグラと揺れる視界、ニューロンが警鐘を鳴らす。

デブリーマンの手には、茶色い液体の入ったボトル。

 

書いてあるのは

「焼肉のタレ」の文字。

 

「お前の見ていた世界は偽物だ。」とでも言わんばかりに、当たり前のように焼肉のタレでビショビショになっていくデブリーマンのサラダ。

 

ようやく正気を取り戻したところでうまトマハンバーグ定食が届く。

 

普段なら5万の美味しさを完璧に仕上げるため、温玉を慎重にハンバーグの上で崩すところだが、今日はまず、自分のサラダに箸を向けていた。

 

ごまドレッシングがついている部分だけをキレイに食べきる。多少味は濃いがそれどころでは無い。

 

サラダに、焼肉のタレを投入する。

 

むしゃり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(しょっぱ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前にはやたらとクチャラーな婆さん。

その横には頬の痩けたゴスロリ

その隣には大量の紅しょうがを食べるオタクっぽい人。

しょっぱすぎる焼肉のタレサラダ。

 

これだから松屋は止められないと思った。